白波瀬 浩幸さん(住まい:京都府)
所属:株式会社KBBM バイオリソース管理部門 ※2022年4月から
<プロフィール>
京都府天田郡三和町(現福知山市)出身。高校3年夏まで進学はあきらめていたところ、大学の夜学に通うという選択肢があることを友人から知る。進路指導室で夜間部のある大学を探していると、「臨床検査技師」という職業があること、夜間部の専門学校があることを教わり、京都保健衛生専門学校第二臨床検査学科に入学する。受験前に臨床検査技師という職業について知っていたことは、血液や尿の検査を行う技術系の仕事でレントゲン技師とは違うということだけでした。
入学手続きを行った日に求人があった医療法人に就職希望を出し、4月から正社員として採用となりました。基本給は約9万円ながら、授業料と実習費は全額負担、職員食堂で夕食を摂ってから学校に行くことができたので、経済的にはなにひとつ不自由ない学生生活であったものの、土曜日の午前中は仕事で午後から学校あり、日曜日のうち月2回は救急病院である職場の日当直で拘束される自由時間が少ない生活を送る。卒後、臨床検査技師資格を取得すると基本給は約12万円となり、同時に病理検査室立ち上げを指示され、京都大学と京都府立医科大学で研修を積んだ後に病理検査室を開設する。
1回目の転機は27歳の時、市立舞鶴市民病院が細胞検査士資格をもつ京都府北部の出身者を探していることを知人から紹介され、採用試験に応募して入職する。田舎の小さな病院で常勤病理医のいない環境でしたが、学会参加や発表を行い、勇気を振り絞ってアムステルダムで開催された国際細胞学会での発表を行う。30代半ばで臨床検査科の技師長となり充実した日々を過ごす。
2回目の転機は40代半ば。市立舞鶴市民病院が内科医の総辞職を受けて病院存続の危機となる。新医師臨床研修制度がスタートする時期と重なり医学部卒後に医師免許を取得しても2年間の臨床研修への専念が義務付けられ、大学医局では2年間は入局者がゼロとなることから地方の病院に派遣する医師の余裕もなく外科系医師も退職して、最終的に常勤医師は病院長1人となる。入院患者はほぼ全員が転院して、アルバイト医師で細々と外来を継続するが、日々膨大な赤字が累積し病院は人件費削減のため勧奨退職を募ることとなり退職する。その後、京都大学医学部附属病院に15年間勤務して令和4年3月末に定年を迎えた。4月から株式会社KBBMバイオリソース管理部門に勤務。
〇技師関係の資格
細胞検査士、国際細胞検査士、二級臨床病理技術士(病理学)、認定病理検査技師
〇公職・委員歴等
日本臨床衛生検査技師会執行理事、京都府臨床検査技師会会長、日本臨床細胞学会評議員、
京都臨床細胞学会幹事・事務局長、日本臨床検査同学院二級臨床病理検査技術士(病理学)試験委員
〇参加者への一言メッセージ
「人生塞翁が馬」という故事がある通り、人生で遭遇する吉凶は変転します。民間病院から地方公務員という安定の生活から一転して、1か月間だけ無職の時期を経て医療法人に勤務、そして大学病院に勤務することとなった経緯をお話しして、調子がいいときこそ自己研鑽しておくとピンチの時に役立つことをお伝えしたいと思います。
そして京都市と福知山市との二拠点生活をすることで、週末は農業、平日は医療と全く違う2つのことが経験できる、「半農半X」というライフスタイルの面白さもお伝えできればと思います。
臨床検査技師100人カイギ 登壇回:第5回
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