<概要>
臨床検査業界をわくわくした場にできないかというテーマで始まった臨床検査×わくわくプロジェクト、通称りんわくは、全世界で活躍する日本人臨床検査技師ホルダーが100人登壇し、自身の想いを語る「臨床検査技師100人カイギ」をきっかけに始まったプロジェクトです!
毎年4,000人ほどの「新」臨床検査技師が生れる日本でありますが、活躍する場の多様性や医療機関で働いたときのキャリアステップの情報は少なく、検査技師学生や若手技師へはなかなか伝わっていないのが現状です。
そんな背景を受けて、この度、臨床検査技師のキャリアを題材にボードゲームを製作し、ボードゲームを通したキャリアデザイン講座を全国の養成学校等で展開できないかとプロジェクトを立ち上げました。
臨床検査業界をわくわくする場にしていくべく、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
技師キャリアデザインボードゲームプロジェクトとは
課題意識
一般の方にあまり知られていない?医療職でも詳しく知らない?
国勢調査(令和2年)の結果では、臨床検査技師は全国に約8.2万人いるとされており、そのうちの多くは医療機関に勤めています。医療機関の中では、無くてはならない臨床検査の専門家として縁の下の力持ち的存在である一方で、検査室から頻繁に出ることは少なく、業務の内容や各技師がどのような専門性をもって活動しているのかは、あまり伝わっていない現状があります。
このような背景もあり、一般の方々からすると、同じように医療機関で働き画像検査に携わる「診療放射線技師」と混同する場合も少なくありません。
直近のLINEリサーチの調査では、高校生のなりたい職業TOP10の女性部門において6位と輝かしいポジションを獲得しましたが、「診療放射線技師」と合わせてのTOP10入りであり、臨床検査技師としての社会的認知度と職業としての魅力発信には課題が残る結果となりました。
出所:LINEリサーチ「全国の男女を対象になりたい職業に関する調査」_https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004143.000001594.html
臨床検査技師の学校に通う学生は目の前の勉強に忙しい…
臨床検査技師になるためには、臨床検査技師の養成学校(大学・短大・専門学校)又は薬学系大学などでの指定科目を修めるなど専門教育を経る必要があります。また、3年間または4年間の教育課程の末、卒業とともに国家試験を受験し、合格すると晴れて臨床検査技師と名乗ることができます。
このような養成学校では、全ての科目は必修で落とすことができない仕組みであることが多く、座学を中心とした講義に加えて、検査の手技を磨くための実習も課せられているため、しっかりと勉強に向き合う必要があります。このような学生生活は、日々の勉強と国家試験合格という目標に向けた研鑽に追われ、未来に向けた自身のキャリアを考える余裕と場が少ないという課題に繋がっています。
解決策の提案
ボードゲームで楽しみながらキャリア形成を体験しよう!
2022年1月から2023年8月までの計20ヶ月行った臨床検査技師100人カイギでは、全世界で活躍する日本人臨床検査技師が毎回5名ずつ登壇し、自身のキャリアと想いを語りました。そのような経験から、私達は臨床検査技師には非常に大きな可能性があり、様々な働き方とキャリア形成の仕方があると感じています。
しかしながら、それらの情報が上手く行き届いていないという課題があり、このボードゲームを開発することにしました。
開発にあたっては、臨床検査技師100人カイギにご登壇いただいた100人の臨床検査技師の想いと、それを支えた運営メンバーの想いを可視化し、ゲームデザインをしています。
キャリアボードゲーム「臨床検査技師の未来」のオープニングメッセージ
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
ボードゲームの概要
- ゲームタイトル:臨床検査技師キャリアはわくわくが一杯(通称:りんわくボード)
- ゲームの種類:キャリア戦略ゲーム
- プレイヤー人数:2~4人
- 対象者:臨床検査技師に興味のある方
- 平均所要時間:30分~120分
- 用具のリスト:メインボード、個人ボード、カード(135種)、ストーン(3種)、年数ピン
- ゲームの目的:臨床検査技師としてキャリア形成をする中で、健康ストーン、お金ストーン、信頼・繋がりストーンを集めて、自身のウェルビーイング(幸福度)の向上を目指す。
- ゲームの準備:メインボードに山札および各種ストーンを配置し、経験年数の「1」に年数ピンを設置する。個人ボードを各プレイヤーへ配布し、健康ストーンをMAXまで設置する。
- ゲームの進行:1年経過する度にプレイヤーは順番に山札より1枚カードを引き手札に加える。また、手札の中から自由に自身の個人ボードへ配置し、キャリア形成を行っていく。尚、1年目のみカードは5枚引き、次年度からは1枚ずつ引く。
- ゲームの終了条件:あらかじめ決めておいた経験年数が経った時、終了とする。
- 勝者の決め方:健康ストーン、お金ストーン、信頼・繋がりストーンをそれぞれ一番集めたプレイヤーを各領域の勝者とする。加えて、ウェルビーイング換算表を用いて、ウェルビーイング(幸福度)が最も高かったプレイヤーを総合勝者とする。
個人ボードにカードを配置したイメージ
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
作成予定のカード
このボードゲームでは、全部で8カテゴリーのカードを作成予定です。 臨床検査技師がキャリア形成を行うにあたって、重要となる「外部環境の変化」「学校」「専門性」「学術活動」「職業」「役職」「体質」「イベント」を設定しています。
カードのイメージ画像
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
8つのカードカテゴリー
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
また、各カテゴリーの中において様々なカードを作成する予定です。全てのカードにはタイトルが付けられ、それについての説明文が記載されます。プレイヤーがカードを引くごとに、認定資格や職業などについて知ることができる設計です。全136種類(予定)。
<外部環境の変化カテゴリー> 11種類
・診療報酬のプラス改定/診療報酬のマイナス改定/臨床検査技師等に関する法律改正/新興感染症パンデミック発生/医療AIで診断の自動化/医療ロボットで検査の自動化/タスクシフトで新たな役割が付与/大地震の発生/豪雨災害の発生/戦争の勃発(国内)/戦争の勃発(国外)
<学校カテゴリー> 5種類
・大学院卒(医科学修士)/大学院卒(保健学修士)/大学院卒(公衆衛生修士)/大学院卒(マネジメント系修士)/大学院卒(博士)
<専門性カテゴリー> 53種類
・認定一般検査技師/認定心電図検査技師/認定臨床染色体遺伝子検査師/認定病理検査技師/臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師/認定認知症領域検査技師/認定救急検査技師/医療技術部門管理資格認定/医療管理者資格認定/二級臨床検査士/一級臨床検査士/緊急臨床検査士/遺伝子分析科学認定士/臨床細胞遺伝学認定士/ジェネティックエキスパート/POCT測定認定士/認定血液検査技師/認定骨髄検査技師/認定サイトメトリー技術者/認定輸血検査技師/認定臨床微生物検査技師/ICMT/ICD/ASCPi/日本糖尿病療養指導士/細胞検査士/国際細胞検査士/電子顕微鏡技術認定(一級・二級)技士/超音波検査士/日本心エコー図学会認定専門技師/心電図検定/排尿機能検査士/認定POCコーディネーター/日本臨床化学会認定化学者/血管診療技師/NST専門療法士細胞治療認定管理士/消化器内視鏡技師/生殖補助医療胚培養士/管理胚培養士/体外受精コーディネータ/認定遺伝カウンセラー/データサイエンティスト検定/医療情報技師診療情報管理士/ITパスポート/毒劇物取扱責任者/品質管理検定1級/医療経営士/第1種衛生管理者/健康食品管理士/臨床工学技士/TOEIC850点以上
<職業カテゴリー> 35種類
・臨床検査技師(病院)/臨床検査技師(診療所)/臨床検査技師(在宅診療所)/臨床検査技師(検査センター)/臨床検査技師(健診センター)/臨床検査技師(保健所)/臨床検査技師(血液センター)/臨床検査技師(フリーランス)/胚培養士/学術営業(企業)/MR(企業)/研究・技術職(企業)/治験コーディネーター(企業)/臨床開発モニター(企業)/会社経営者/大学教育(教授)/大学教員(准教授)/大学教員(講師・助教)/大学教員(非常勤講師)/研究者(研究所)/国際機関職員/国際ボランティア/国会議員/地方議員/ライター/デザイナー/YouTuber/起業家/地域支援員/技師会員(委員メンバー)/技師会役員/技師会長/食品衛生監視員/環境衛生監視員/厚生労働省行政官
<役職カテゴリー> 5種類
・主任/係長/課長・技師長/部長/役員・副院長
<学術活動カテゴリー> 7種類
・学会発表(3年に1度)/学会発表(毎年)/論文投稿/国内学会で受賞/国際学会で受賞/教科書を執筆/学会長として学会を開催
<体質カテゴリー> 2種類
・学び体質/ネットワーク体質
<イベントカテゴリー> 18種類
・病気を発症/治療/難病になる/うつ病になる/交通事故/宝くじが当たる/運動を定期的に実施/バランスの良い食事/結婚/子供が生まれる/マイホーム/配偶者の海外赴任/離婚/死別/介護/離職/職業感染(針刺し事故等)/ワクチン接種
※最終的にボードゲーム1セットにつき、200枚のカードが内包されます。
個人ボードのデザイン
プレイヤーがキャリア形成を行うための個人ボードは、下記のようなデザインを予定しています。カードを引くことでプレイヤーの手札が増え、その手札より自らカードを配置することで、キャリア形成を行なっていきます。プレイヤー自身が考え、戦略的にキャリア形成できる仕組みです。
個人ボードのデザイン
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
特徴は7つの仕掛け
このボードゲームには、臨床検査技師100人カイギでの登壇者のお話をもとに、臨床検査技師のキャリアデザインに向けて重要な要素を組み込んでいます。それが7つの仕掛けです。
7つの仕掛け
出所:臨床検査×わくわくプロジェクトにて作成
プロジェクト資金について
現在、クラウドファンディングの実施に向けて、準備を進めています。
<クラウドファンディングの予定>
目標金額:100万円
支援金の使途:ゲーム製作費(25セットを想定)、養成学校への出張費(デモプレイのため訪問1回分)、ボードゲーム説明用HPの製作費、クラウドファンディング手数料(12%)
※支援金が100万円を超えた場合は、養成学校への出張費および臨床検査技師に特化したキャリアデザインの教科書作りの資金として考えております。
ご質問
Q. ボードゲーム完成後は、購入することは可能ですか。
A. 現状では、販売を予定しておりません。プロジェクト運営事務局にて25セット以上を保持し、無償レンタルなどを予定しております。
Q. 無償レンタルの基準はありますか。
A. 検査学生や若手技師のキャリアデザインに資する研修用に開発するボードゲームとなります。そのため、養成学校や地区技師会へのレンタルを想定しています。
Q. 病院の検査部にて、キャリア研修をしたいのですが…。
A. 営利目的でなければ、基本的には無償レンタルの方向で検討させていただきます。お気軽にご連絡ください。
Q. 企業や高校・中学校でのレンタルは可能ですか。
A. 広く、臨床検査技師を知っていただくためのツールとしてもお使いいただけます。是非、お気軽にご連絡ください。
Q. ルール説明やゲームのファシリテーションをお願いできますか。
A. キャリアデザイン研修を想定したゲームであるため、交通費をいただければプロジェクトメンバー等が、ファシリテーターとして伺います。
Q. 自分達だけでゲームを行うこともできますか。
A. 可能となっていますが、キャリアデザイン研修としての効果が半減する可能性があります。今後は、本ボードゲームを用いた研修講師などができるアドバイザーとして、臨床検査技師キャリアデザイナー(仮称)のような仕組みも検討していきたいと考えております。
Q. 連絡はどちらにすればよいですか。
A. info@kensa.wikiにお願いします。
趣意書
文書名 | 作成日 | ダウンロード |
趣意書 | 2024.2.12 | click |
チラシ・ポスター
プロジェクトの活動 ~関連記事~
プロジェクトの運営体制
プロジェクトNo | 01 |
プロジェクト名称 | 技師キャリアデザインボードゲームプロジェクト |
プロジェクト責任者 | 神戸翼 臨床検査技師 永生総合研究所 |
プロジェクトメンバー (2024.5.17時点、17名) | 安藤恭代 臨床検査技師 個人事業主 上野大 臨床検査技師 弘前大学 笛吹和代 臨床検査技師 個人事業主 大西雄介 臨床検査技師 掛川東病院 小笠原篤 臨床検査技師 静岡医療科学専門大学校 河合正行 臨床検査技師 石和共立病院 神戸翼 臨床検査技師 永生総合研究所 佐藤哲郎 臨床検査技師 エモリ―大学公衆衛生大学院(大学院生) 關谷暁子 臨床検査技師 北陸大学医療保健学部 髙橋聖弥 臨床検査技師 Bio-Techne Japan 髙橋貴行 臨床検査技師 永生病院 竹澤理子 臨床検査技師 三井記念病院 中山章文 臨床検査技師 岐阜医療科学大学 服部博明 臨床検査技師 フリーランス 藤巻慎一 臨床検査技師 国際医療福祉大学 宮崎隼 検査学生 日本医療大学(学部生) 三好雅士 臨床検査技師 徳島大学病院 ※五十音順 |
開始日 | 2023年10月15日 |
主なプロジェクト内容 | 臨床検査技師のキャリアデザインを、ボードゲームを用いたワークショップ型にて行うことを目的にしています。まずはそのためのゲーム製作を行います。 |
拠点住所 | 東京都文京区本駒込5-30-10 |
HP | https://kensa.wiki/ |
プロジェクトについての資料DL
文書名 | 作成日 | ダウンロード |
臨床検査技師100人のキャリアと技師キャリアデザインボードゲームの制作について | 2024.1.28 | – |
技師キャリアデザインボードゲームプロジェクトとは何か | 2024.2.6 | – |
技師キャリアデザインボードゲームプロジェクトとは何か | 2024.2.22 | click |