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臨床検査技師100人カイギ紹介ムービー
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検査技師学生が振り返る100人カイギの見どころ#02「技師ホルダーの大学教員への道」

皆さんこんにちは!

大学にて臨床検査を学ぶかたわら、100人カイギがきっかけで誕生した検査技師の学生団体SOLSの運営メンバーをしている小田航(おだわたる)と申します。ちなみに、100人カイギでは、若輩者ながら、第5回に登壇の機会をいただき、自己紹介させていただきました。(もし、ご興味いただけましたらこちらもどうぞ。)

さて、臨床検査技師100人カイギも8月28日に第8回を終え、40人の方にご登壇いただきました!

これまで、気になっているけど未参加の方、時間が取れず見逃した方もいるのではないでしょうか?

このコラムでは、今までの100人カイギを振り返り、小田目線の気になるテーマを、小田目線にてピックアップし、小田目線にて考察していく、そんな突飛なコラムになっています。是非、お昼休みやおやつタイムなど、お暇つぶしにでもご一読いただければ嬉しいです。

まだまだ勉強中の身でありますが、どうぞ今後とも皆様のご指導のほどよろしくお願い致しますm(__)m

そんなことで第2回目のコラムでは「技師ホルダーの大学教員への道」と題して書いてみました!

このページの内容

はじめに

今回のテーマは、「技師ホルダーの大学教員への道」についてです。

皆さんの中には、教職に就きたいと考えていても、どう行動したら良いのか悩んでいる方もいると思います。
わたしも、教職を目指している仲間と会話をすると「教職に就けるかは運も重要ではないか?」、「出会いと偶然の結果かもしれない…」などそんな悩みを聞くことがあります。また、せっかく博士を取得しても、教職に就けずに却って就職難で困ってしまうこともあると聞きました。

「教職に就くならこれ!」という正解がないことが、一番の悩みかもしれません。

そこで、これまでの100人カイギを振り返り、登壇者の方々が教職に就くまでに何をされていたのか? どのような経験が生きるのか? 実際のロールモデルをご紹介しつつ、情報を整理していきたいと思います。

また、大学教員といっても、常勤・非常勤と2つに大別することもできますが、今回は大学で“常勤”としてご活躍されている技師ホルダーの方々に焦点をあてたいと思います。ご参考になれば嬉しい限りです。

今回着目したのは以下の方々です。

皆さん、“常勤”の教職経験があり、臨床・研究・教育と広くご活躍されている、尊敬できる先輩方ばかりです。

・岐阜医療科学大学 中山章文先生(第1回)
・北陸大学 油野友二先生(第1回)
・東北大学病院 藤巻慎一先生(第3回)
・神戸常磐大学 坂本秀生先生(第4回)
・関西医療大学 矢野恵子先生(第5回)
・神戸大学大学院 大崎博之先生(第7回)
・岐阜医療科学大学 中川泰久先生(第7回)
・日本医療科学大学 関貴行先生(第8回)

さて、どのような経緯があったのでしょうか?(ワクワク)

経緯その1:臨床現場→大学教員

教員になる一般的なイメージは、臨床を経験してから教職を目指す、にあると思います。
大学教員には、臨床・研究・教育と幅広い教養が求められるからです。
とりわけ、タスクシフトや技術革新により医療の変革期にある今、実際の現場を知ることで教育や研究に還元できることは多いのではないでしょうか。

case1:長期の臨床経験を経て教職へ就く

北陸大学の油野友二先生は、臨床で37年務められ論文投稿も積極的にやってこられたベテランの検査技師です。後進の育成をとの想いで大学教員へ転職されました。データを追求するマインドに加えて、その日の教育内容に合わせて服装を工夫する、素敵な一面もあります(笑)。また、関西医療大学の矢野恵子先生は細胞検査士としての長年のご経験から、経験と深く考えるが大切であるという意識を持ち、細胞診の教育に注力されています。全国規模となっている、子宮内膜細胞診の勉強会も立ち上げ運営を行われています。神戸大学大学院の大崎博之先生は中小病院で15年間臨床と研究を両立してこられ、現場の問題意識から研究分野を開拓されました。教員へ転職後、学会での出会いを契機にラオス保健医療・医学協力協会理事としてもご活躍されています。どの方も、臨床経験が教育に生かされているロールモデルでした。現場の経験をフィードバックする形は、自然な流れのように感じました。

経緯その2:養成学校→大学院→大学教員

大学教員には、臨床・研究・教育と幅広い経験が求められることが多いと思いますが、100人カイギに登壇された先生の中には教育に特出した方もいました。

case2:教職一本で進む

日本医療科学大学の関貴行先生は、修士・博士と修められた後、臨床を経ずに教職へ進まれました。「教育しかない私」をテーマに、登壇されたのがとても印象的でした。大学教員の募集基準では、専門性とその分野での業績が必要であり、教育理論や技法の研修経験等が求められる事はほとんどないとのお話でした。「大学教育のプロはいない」との問題意識から、特に教育に注力されて活躍されています。確かに教育に対する教養が求められる一方で、教育に関する募集基準がないことに、目を向けられた方は少ないのではないでしょうか。ただ、質疑応答では「臨床や研究の実績はあるに越したことはない」という裏話もありました(笑)。臨床や研究経験のある周りの方々の支えで、教育に還元できているとのことで、教育を突き詰めるのも、大学教員の一つの道であると感じたお話しでした。

経緯その3:臨床現場+大学研究室→大学教員

検査技師ホルダーの中には、臨床を経験しつつも研究に主軸を置いて教職へ進まれる方もいました。
その一部をご紹介します。

case3:日中は臨床、夜間は大学の研究室で研究、そして教職へ

岐阜医療科学大学の中山章文先生は、日中は病院で臨床を、夜間は奈良県立医科大学の化学研究室、通称salon de chimie、で研究をされていました。実に約20年の期間を経て教職へ進まれています。サロンで、楽しく化学の話に花を咲かせながら、週に1.2回は終電までの研究生活をしていたとのことでした。そこで恩師の先生との出会いから「実験して論文を作成するなら英語で残す」という方針で、英語論文に挑戦し、Journal of Biological Chemistryを一発accept、「学者は学位を取って半人前、学位を取らせて一人前」という恩師のお言葉をもとに教職に勤められています。臨床に従事しながらも研究に主軸を置き、教職に進まれた方の1人です。長い期間、研究実績をつまれて教職に就かれた方だと思います。働きながら何処かの研究室で研究してみるのも、一考ではないでしょうか。

経緯その4:臨床現場→大学研究室→大学教員

case4:日本と海外の大学で研究し、教育現場へ

神戸常磐大学の坂本秀生先生は、前回のコラムでも取り上げさせていただきましたが、研究を主軸に教職へ進まれました。卒後、母校の藤田医科大学の検査部で検査技師として3年務められた後に、研究に主軸を置いた生活を送られていました。論文博士で博士号取得後に、Harvard Medical SchoolでPost Doctorをご経験され、藤田に戻り教職も務められた後、Harvard Medical Schoolでinstructorとしてご活躍されました。臨床・教育・研究のうち2つに取り組めること、そして、社会貢献をすること、というHarvardでの方針の元、教職に携わられています。研究主軸で教職に進まれた一つのロールモデルではないでしょうか。

経緯その5:特殊なケース

case5:臨床から大学教員、そして臨床へ戻る

東北大学病院の藤巻慎一先生は、今は教職に勤められてはいませんが、一時期は新設された天理医療大学で教職に就かれていました。25年の間、臨床に従事しながら研究にも取り組まれてからの、4年半にわたる教職期間でした。その後、再び臨床に戻られて技師長として従事されています。臨床から教育へ進まれ、再度臨床に戻られた方でした。こういった選択肢もあるんですね。

case6:自衛官から臨床へ、そして大学教員へ

岐阜医療科学大学の中川泰久先生は、かなり変わったご経歴の方になります。藤田医科大学を卒業後、当時航空自衛官だった弟さんのすすめで、自衛隊で衛生兵を務められました。ひょうなことから、射撃の腕を買われ、中部師団の射撃選手として射撃づくめの生活へ。ある時、本職の検査技師も体験したいとの思いで、一般病院に転職、解剖への興味もあり三重大学の法医学の大学院に進学され、その後、教職に進まれた方でした。射撃の腕を買われて自衛隊勤めの方でも、技師として教職に進む道もあるんですね。驚愕のご経歴ですが、教職に必要なことは自衛隊へ入ること、、、という訳ではないのですが、色々な経験が生きるのだと感じました。

終わりに ~100人カイギに参加することで~

参考となるロールモデルは見つかりましたでしょうか?

振り返ってみると、臨床や研究実績をあげて、教職に進まれる方もいましたが、教職一筋の方、特殊な経歴を生かして、教職に就かれる方もいました。それぞれの道があるのだと思います。

そして、経緯に限らず、真剣に取り組み続けていることは、教職に就くための糧となっていると感じます。

だからこそ、「臨床経験や研究実績が自分には足りないから…」とため息を漏らすだけではなく、多様性が生きるケースもあるため、諦めずに目指してみることが大事なのかもしれません。

臨床検査技師100人カイギは、技師の新たなロールモデルの発見や出会いの場学生に夢を与える場になっていると感じています。もし、100人カイギ運営にご興味がある方は以下よりご確認ください。

 (運営メンバーにご興味のある方はこちら:https://kensa.wiki/index.php/2021/11/03/246/ )


今回ご紹介した方々のスピーカー映像、気になった方は下記もチェックください。

また、次回の100人カイギでも魅力的な方にご登壇いただきます。

こちらもご参考ください。後日、見逃し動画も配信しております。

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この記事を書いた人

KENSA.wikiのお手伝い 兼 第1回臨床検査技師100人カイギを契機に発足した、臨床検査技師学生団体SOLS立ち上げメンバー。

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