こんにちは。フリーランス臨床検査技師の服部です。
現在ははっとラボ(屋号)として超音波検査と教育を主軸に活動しています。
連載第5回目として【フリーランスになった後のライフスタイル】について語っていこうと思います。
読了目安時間:11分程度(1分300文字)
最初は非常勤の契約
私が個人事業主(いわゆるフリーランス)として開業届を提出したのは2019年11月26日のことでした。
開業届を出したからといって、すぐに望む働き方ができるわけではありません。最初は非常勤の超音波検査を担当する臨床検査技師として総合病院との契約でした。2つの病院と契約していましたが、病院の規定は変えられませんので…という言葉で報酬の交渉などはできませんでした。その時の報酬はみなさんもハローワークやタウンワークで検索したらわかると思いますが、臨床検査技師としての最低賃金程度です。
非常勤ですので、正規職員よりも報酬は抑えられており、当然ボーナスなどもありませんので生活が危ぶまれるような状態でした。そこで杉原医師と相談して、広告を作って営業することにしました。その時の広告がこちらです。(当時はパワーポイントで自作しました。)

米子市の日野にある総合病院が最初に交渉に応じてくれた病院でした。
その病院の院長は大学院時代にお世話になった教授とも、杉原医師とも親しい先生で、ここでも人の縁に助けられたなと思っています。クリニックにもこの広告を持って営業活動を行いましたが、臨床検査技師を新規で受け入れるにあたって、エコー検査がないときの待機場所や看護師さんとの関係性など経営判断として悩ましい部分が大きく、なかなか契約には至りませんでした。
クリニックで最初に契約してくれたのは、はしもとクリニック内科・呼吸器科でした。今もここでエコー検査を担当しています。
実はこの契約も、今でも尊敬している臨床検査技師の先輩が橋本先生に私を紹介してくださったことからはじまっています。私のことを大学院時代から知ってくださっており、鳥取県西部医師会館での消化器超音波研究会で症例提示をしているのもみてくださっていて、とても気にかけてくださっていた先輩技師です。今でも感謝しております。
そう考えると、本当に人との縁に助けられてフリーランスという道が開けたのだと実感いたします。
自分本位になってみて考えると、自分が今まで力を入れて頑張ってきたことが人との縁につながっているのではないか、頑張ってきたことはどこかで実になるのではないかと思います。その後は、自身から営業活動をしなくとも興味をもってくださった病院やクリニックから声がかかるようになり、自身の条件とマッチする場合に契約するという形に落ち着くことができました。
振り返ると、新しい契約の多くは営業だけではなく、それまで積み重ねてきた活動や学会発表、人とのつながりから生まれていました。
オンライン事業の追い風になったコロナ禍
個人事業主(フリーランス)とアルバイトと何が違うのかと考えたとき、私の結論では「自身の事業として何かを行っているか」ではないかと思います。あくまで私の考えですので、広義でいえばアルバイトやパートタイマーもフリーランスではあるのだと思います。
私は個人事業としてはっとラボとして「オンライン事業」を行っています。
最初はブログからはじめました。WordPressで自作するタイプのWEBサイト運営で、超音波に関することや日々考えたこと、事業の内容などを投稿していました。
それが目に留まり、東京や埼玉の企業とコラボしてオンラインセミナーを行うようになりました。
現在はその企業との契約を終えて、「はっとラボ」として独立してオンライン事業を運営しております。
これを読んでいるみなさんもコロナ禍における社会の大きな変化を体験したのではないでしょうか?
一気にリモートワークが流行り、学会や研修会もZoomなどを用いたオンライン受講ができるのが当たり前の世界になりました。
私がオンラインの事業をはじめたタイミングでこの流行にうまく乗ることができたことも大きかったと思います。
ある意味でコロナ禍による社会の変化のおかげで事業として成立するようになったのだと感じています。
ライフスタイル
私は超音波検査学会の中国地方会委員であったり、超音波検査士や血管診療技師、認定認知症領域検査技師、医療技術部門管理資格などの更新単位取得のためだったりで土日は休みが良いなと考え、土日は契約を入れないことにしました。
主軸となるはしもとクリニック内科・呼吸器科での超音波検査業務を中心に、木曜日は別の病院やクリニックと契約して超音波検査業務・技師への指導を行うスタイルにしました。最初のころはなかなか契約の交渉をする段階にもっていくことも大変でしたが、活動を続けているうちに何もせずに待っていても問い合わせが来るようになり、自分が条件が合致しそうだと思える契約を選べるようになりました。オンライン事業について、企業と契約しているときは月1~2回、20時~エコーに関するオンラインセミナーを行っておりましたが、完全に独立してからは頻度も自由になり、一度開催したオンラインセミナーの動画を再募集するなどして、自分自身のその時の体調や忙しさにあわせた事業展開ができるようになりました。
オンラインセミナーはPeatixで募集しています。
はっとラボPeatix
以前はリアルタイム開催がメインでしたが、現在は動画セミナーのスタイルに変更しています。
実感としてもリアルタイムで時間をあわせて参加してもらう形式よりも好きな時に好きないタイミングで視聴できる方が受講者にとっても良さそうだというのもあります。はっとラボのセミナーは受講した回の動画アーカイブは無期限で視聴可能というのもあり、エコーを学びたいと思ったタイミングで動画を活用してもらえるように色々と考えながら事業を展開しております。
うつ病との闘病を行う上で、自分で仕事量を調整できるフリーランスという働き方はある意味で自分にあっていたのかもしれません。
収益面でも、頑張って作ってきたコンテンツがどんどん積みあがっていきますので、それらを新しく【はっとラボ】を知ってくださった方に届けることで継続することが力になり、しんどいときは多少、休むことを重視してもなんとかやっていけるようになってきたのではないかと思っています。私生活としてはもともと総合病院時代に行っていた、日当直や待機業務をすることがないのでかなりリズムを整えやすいと感じています。私は臨床検査×わくわくプロジェクトの理事であったり、日本超音波検査学会中国地方会委員・財務委員・代議員であったりするため夜にWEB会議が入ることもあります。また財務委員としての学会活動が日常の中で必要になってくる場面もあります。そういったことも、日当直や待機がないことで対応しやすく、しんどいときは少し抑え気味にさせてもらうなど調整がしやすい環境にいると感じています。
生き延びるために総合病院で無理をしていた時代から考えると、好きなことに時間をあてて生きる選択ができているように感じています。オンラインセミナーの資料を作ったり、動画を編集したりすることも好きなことです。こんな解説があったら受講した方に喜ばれるかな?これだとわかりやすいかな?と考えながら作っていくことはとても有意義に感じています。趣味の面でもバーチャルYoutuberの配信や動画をみることが好きで、推し活としてゆっくり配信を楽しみながらファンアートを描くことも楽しめています。
きっと何かをクリエイトすることが自分は好きなんだなと思っているところです。
推し活で配信をみると自分が今まで知らなかった生き方や考え方、良いものがみえてくることがあります。普段、臨床検査技師として医療職の中で生きていると感じることができない価値観や想いに触れる機会で、日々の生活のうるおいとなっています。
フリーランスになれば自由になれるというわけではありません。
私自身も多くの方とのご縁や、社会の変化、そして少しずつ積み重ねてきた経験に支えられて今があります。
それでも、自分らしい働き方を選択できるようになったことは、私にとって大きな財産です。
もしこれから新しい働き方に挑戦したいと思っている方がいれば、この連載が少しでも参考になれば嬉しく思います。
(#06へつづく)


