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#04「地方議員」の視点で読み解く臨床検査の現在地と未来

はじめに

近年、人口減少や高齢化、医療費の増加、地域医療の維持など、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。その中で、医療現場だけでなく、地域の制度や政策を考える「地方議員」という立場から医療に関わる臨床検査技師も少しずつ増え始めています。
地方議員は、地域住民の生活を支える制度づくりや予算編成に関わる立場であり、医療・福祉・介護・教育など幅広い分野に携わります。特に医療職出身の議員は、現場感覚を持ちながら政策提言できる強みがあります。一方で、議員活動には選挙や政党、地域事情など、医療現場とは異なる難しさも存在します。
今回は、地方議員として活躍する臨床検査技師とのパネルディスカッションを踏まえ、地方議員という視点から見た臨床検査技師の現在地と未来を整理します。

本連載は、連盟青年部「臨床検査技師という生き方と未来」での意見交換を参考にしています。

※画像はAIによる生成のため誤字があることご了承ください。

読了目安時間:13分程度(1分300文字)

このページの内容

地方議員になったきっかけ

地方議員を目指す理由は、それぞれの地域課題や人生経験によって異なります。「自分の子どもたちが暮らす地域を良くしたい」「地域医療を守りたい」「教育や福祉の制度を改善したい」といった思いなどがあり、その中で臨床検査技師としての経験が、地域課題を考える土台になりえます。
また、市議会議員として活動する中で、「市だけでは限界があり、県や国の制度を動かす必要がある」と感じ、県議会議員へ挑戦した事例もあります。医療や教育は県・国の制度との関係が深く、より広い視点で地域を支えたいという思いにつながっていきます。

ポイント

  • 地域を良くしたいという思いが出発点
  • 医療現場経験が地域課題への視点につながる
  • 市議から県議へ挑戦するケースもある
  • 制度や予算の重要性を現場で実感している
  • 「地域を守りたい」という思いが共通している

地方議員の立場からの医療政策

地方議員の立場では、地域医療体制の維持や医療人材不足への対応が大きな課題となっています。特に地方部では、「総合病院が少ない」「医師不足」「医療機器更新が進まない」といった課題が深刻であり、議会で現場の声を届ける役割が求められています。実際に、大学への臨床検査学科設置を支援した事例や、老朽化したCT更新、医療機器整備の必要性を議会で訴えた事例も共有されています。また、地域に医療拠点を作るために、大学・自治体・国との連携を進めているケースもあります。地域特性によって医療政策の方向性が異なることもポイントです。

ポイント

  • 地域ごとに医療課題が異なる
  • 医療人材不足は全国共通の課題
  • 医療機器更新や病院整備も重要なテーマとなる
  • 地方議員は現場の声を政策につなげている
  • 地域医療は国・県・市町村の連携が重要

医療者からの陳情・要望について

医療従事者からの要望や陳情については、「まず声を上げることが重要」という意見が共有されています。
現場では、「人員不足」「報酬改定」「設備更新」など、さまざまな課題がありますが、それを行政に届けなければ改善につながりません。地方議員は、要望書作成の支援や行政への同行、県議会議員や国会議員との橋渡しなどを行っており、「一緒に要望を形にする役割」が期待されています。実際に、要望活動を通じて予算化につながった事例も紹介されており、政治と現場をつなぐことが重要といえます。

ポイント

  • 声を上げることが第一歩
  • 要望書作成も重要な活動
  • 地方議員は行政との橋渡し役
  • 医療現場と政治の連携が重要
  • 要望活動が予算化につながる

国政・国会議員との関わり

地方議員と国会議員との距離感は、所属政党や地域性によって大きく異なっています。
無所属議員では国会議員との接点が限られる一方、政党所属議員では勉強会や政策活動を通じて国との連携機会が増える傾向があるようです。また、コロナ禍では、慰労金や医療支援などについて国会議員や省庁へ直接要望を届けた事例もあります。
地方議員の立場からも、「地域の課題を国へ届ける」役割が重要であり、地方と国をつなぐ存在としての役割が期待されています。

ポイント

  • 政党所属によって国との距離感が変わる
  • 地方議員も国へ要望を届けている
  • コロナ禍では国との連携が重要だった
  • 地域課題を国政へ伝える役割がある
  • 地方と国の橋渡しが求められている

国政や国会議員への興味

国政への考え方については、「地域で活動を続けたい」という意見と、「将来的には県政・国政も視野に入れる」という意見の両方があります。
一方で、県議会や国政になるほど、政党色や選挙規模が大きくなり、活動の難しさも増すという現実もあります。また、「自分が道を切り開き、後輩世代につなげたい」という人材育成の視点もあり、政治の世界でも次世代育成の重要性が強調されています。

ポイント

  • 地域密着を重視する考え方
  • 県政・国政への挑戦を考える人もいる
  • 上位選挙ほど難易度は高くなる
  • 人材育成の視点も重要
  • 次世代へ道をつなぐ意識が大事

地方議員にはどうしたらなれるか

地方議員になるためには、「強い思い」と「地域との関わり」が重要であることが言われています。
選挙には確かにお金や人脈も必要ですが、それ以上に、「なぜ地域を変えたいのか」という思いを伝えることが重要だという意見が多くあげられました。
実際に、自治会活動、PTA、地域イベント参加、青年会議所などを通じて地域とのつながりを作り、少しずつ支援者を増やしていった事例も紹介されています。
また、近年はSNS活用などによって、「お金がなくても挑戦できる時代になりつつある」という意見もあります。

ポイント

  • 強い思いが最も重要
  • 地域活動の積み重ねが大切
  • 地盤・看板・鞄がなくても挑戦できる
  • SNSなど新しい選挙手法も広がっている
  • 人とのつながりが大きな力になる

議員視点で技師会・連盟に求めること

現役議員からは、「もっと政治への関心を持つ必要がある」という意見が多く出されています。特に、看護師・薬剤師など他職種と比較すると、臨床検査技師は政治活動や政策提言がまだ弱いのではないかという指摘もありました。
コロナ禍での慰労金問題などを通じて、「国会議員を持つこと」「組織として声を上げること」の重要性を感じたという意見もあります。
また、地方議員からは、「現場の課題をもっと政治へ届けてほしい」「地方の技師会活動も活性化してほしい」という期待も語られています。

ポイント

  • 政治への関心向上が課題
  • 他職種は政治活動が活発
  • 組織として声を上げる重要性
  • 国会議員の存在は大きな力になる
  • 地方組織の活性化も求められている

今後やりたいこと・実現したい未来

今後については、「地域をより良くしたい」という強い思いが共通されました。
若い世代の議員を増やしたい、地域医療を守りたい、人材育成を進めたいなど、それぞれの立場で未来へのビジョンが語られています。
また、地方議員という働き方について、「地域の変化を直接感じられる」「地域住民と近い距離で活動できる」という魅力もあります。
一方で、議員活動は休日やプライベートも少なく、地道な努力の積み重ねが必要であることも重要です。

ポイント

  • 地域を良くしたいという思いが原動力
  • 若い世代の政治参加も期待されている
  • 人材育成への思いも強くある
  • 地域住民との距離が近い仕事
  • 地道な努力が求められる世界

その他のキーワード:議員の兼業医療職で議員になる意義

地方議員は兼業で活動しているケースもあり、医療職を続けながら議員活動を行っている事例もあります。一方で、業務量や時間管理は非常に大変であり、職場理解も重要になります。

医療現場を知る議員は、医療政策に具体性を持たせやすいという強みがあります。
また、介護・福祉・リハビリ・栄養など、多様な医療福祉職が議会に入ることで、より現場に近い議論が可能になります。

ポイント

  • 医療職の視点は政策に活かされる
  • 兼業議員には時間管理が求められる
  • 地域密着型の活動が重要
  • 多職種が議会に入る意義がある
  • 現場感覚を持つ議員が期待される

総括

今回のパネルディスカッションでは、地方議員という立場から見た臨床検査技師の可能性が多角的に語られました。地方議員は、単に地域の制度を決めるだけではなく、地域医療や住民生活を支える重要な役割を担っています。その中で、臨床検査技師としての現場経験は、医療政策や地域課題を考える上で大きな強みになっています。また、政治の世界では「声を上げること」「組織として動くこと」「地域とつながること」の重要性も共有されました。
今後、人口減少や医療需要の変化が進む中で、医療職が政治や地域づくりに関わる意義はさらに大きくなっていくと考えられます。臨床検査技師にとっても、「検査室の中」だけではない、新たなキャリアや社会参加の可能性が広がり始めています。

次回予告

次回は、「厚労省」をテーマにお届けします。

医療制度や診療報酬、医療DX、地域医療構想、人材政策など、臨床検査技師を取り巻く環境には、厚生労働省の政策が大きく関わっています。一方で、「制度は知っているが、どのように作られているのかは分からない」という声も少なくありません。
そこで次回は、厚労省という視点から、医療政策がどのように生まれ、現場へ影響しているのかを整理しながら、臨床検査技師と政策の関係について考えていきます。制度改定の背景や行政との関わり、そして今後求められる視点についても深掘りしていきます。

参考:音声で読む(視聴目安時間:9分程度)

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この記事を書いた人

臨床検査技師免許取得→治験業界CRC→カナダ留学→国内ビジネススクール→慶應大学院・医療マネジメントコース(MHM)修了→コンサルティングファーム&患者向けスマホアプリ開発運営ソーシャルベンチャー起業→慶應大SFC研究所上席所員&大手医療法人経営戦略・政策責任者→医療経営・政策総合研究所起業(シンクタンク)→国会議員の政策顧問&早稲田大学院・公共経営コース(MPM)修了。日臨技・医療技術部門管理資格と医療管理者資格・審議会委員長。臨床検査技師100人カイギ代表→一般社団臨床検査×わくわくプロジェクト起業・代表。現役で武蔵野美術大学・学部生。

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