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臨床検査技師100人カイギ紹介ムービー
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【登壇者インタビュー#00】作用・反作用の法則/竹澤理子

RIKO TAKEZAWA
三井記念病院・竹澤 理子

Riko Takezawa
竹澤理子/1969年生まれ。住まいは東京都。1991年臨床検査技師免許取得。
東京医科歯科大学医学部付属臨床検査技師学校卒。
臨床検査技師免許取得後、三井記念病院に勤務。その傍ら、東京女子医大学医学部感染症科研究生を経験し、現在は千葉科学大学大学院にも在籍中(インタビュー当時)。文京学院大学では非常勤講師も務める。東京都臨床検査技師会の理事として技師会活動に積極的に参加し、検査技師の地位向上と環境整備、ネットワーク構築に力をいれている。息子・娘は成人し、現在は愛犬の栗太郎と2人暮らし。

このページの内容

はじめに

今回は学会と違って、自由に作って、自由に話して良いということで、そうなると逆に難しいんですけれど、100人カイギのコンセプトが「7割が自分のこと、3割が業績」で、「想いを伝える」ということなので、難しい話は無しにして話そうと思います。このタイトルは恩師に言われた言葉の一つです。

言葉って、良くも悪くも、自分に対しても、他人に対しても、大きな影響を与えますよね。今まで経験してきた素敵な出会いと言葉、それから記憶に残っていることなど、少しでも心に届く言葉があれば良いなと思います。

現在の仕事

三井記念病院という秋葉原にある病院に所属していますので、基本はここにいます。お給料を頂いているということでは、文京学院大学の非常勤講師もしています。そして、お金のためではない、院外の仕事としては、東京都臨床検査技師会の理事、学会の評議員もしています。こちらはほぼボランティアですね。学生のみなさんは、これから技師会という組織を知ることになると思います。日本臨床衛生検査技師会が全国規模の技師会ですが、各都道府県にも技師会がありますので、まずは所属してみてくださいね。

技師会の仕事としては、毎年発行していた紙の会員証をプラスチック製に替えたり、公式ラインアカウントを作ったりしてきました。色々な学会や団体の委員会などにも所属して、認定資格の立ち上げも経験しました。基本ボランティアなので、こういうことが好きな人たちが集まっているのだと思います。といって、誰もがなれるものではないので、今の私の立ち位置は、どうして得たのか、ということに繋がりそうなお話をしたいと思います。

さて、私はどんな人物なのか。いま、危機管理学について大学院で勉強しているのですが、コミュニケーション演習のひとつとして学んだことがあります。

気質っていうものが自分の根底にあります。この気質は変わらないもので、性格は、この変わることがない「気質」から特に強い影響を受けています。その人の「特性」と言えます。ナランホ博士の研究による性格類型論でエニアグラムというものを使って9つのタイプ分類をすると、私は理想主義者だそうです。こまかい部分はYouTube版のアーカイブで見てください。あるべき姿の許容範囲が狭いために、、完璧主義者に見られる傾向にあるようです。私が分類されたタイプ1は何を大切にしているかというと、他人に頼らず自分の力できること、全身全霊でその人のためを考え全力を尽くすことだそうで、これはなるほどと思っています。私は日本画家の堀文子さんの「群れない、慣れない、頼らない」というモットーが好きで、こうありたいと思っています。

なぜ臨床検査技師を目指したのか

さて私はなぜ臨床検査技師を目指したのでしょう。学校の入学試験ではちゃんと、医療にかかわるとか、縁の下の力持ちとか、面接用にいろいろ言葉を作ったと思いますが、正直なところは、姉から聞いた「臨床検査技師」という仕事を知らなかったというのが最初の理由かもしれません。知らなかったからこそ興味を持ったんだと思います。

若いころから志が高かったわけではありません。高校の時に部活でやっていた実験で、イカの表面についている発光細菌を培養して学祭で見せたり、また、タマホコリカビという細胞性粘菌でカビの一種なんですが、生活史の途中にアメーバ期がある面白い粘菌で、このような菌を培養して観察していました。また、生物の先生が微生物専攻されていたのもあって、構内にオートクレーブがあって臭い肉エキスを使って培地をつくったりしてました。今、細菌検査室で培養検査をしているんですが、これって運命なのか何なのか。そして、ここで親友となったあこちゃんが、おととし乳がんの再発で逝ってしまいました。「私たちは検査をする者として、見落としなく検査をしなければと改めて思う」と言ってくれた友人がいました。

東京医科歯科大学医学部附属臨床検査技師学校、いはま大学になっていますが、技師学校の最後の卒業生です。高校まで栃木県小山市で育ち、箱入り娘で、それが晴れて東京で一人暮らしですよ。正直はっちゃけました。バイト、バイト、遊び、学業くらいですかね。おもしろバイトなどもしました。それでも、この学校で学んだことは間違いなく臨床検査技師としての根底だったと思います。

就職してからは…

就職してからもガツガツいろいろなことに参加していたわけではありません。就職して2年目に結婚して、3年目、4年目に出産して。当時、今では当たりまえの育児休暇制度ができてはいたものの、前例がないからという理由で、産後8週で仕事に復帰。家事、育児、仕事の毎日で、自分のために勉強しようという気持ちさえなく惰性で仕事をしていた時期ですね。そして、下の子が小学校に入った年に、旦那と別れます。

子供と始めたバドミントンでは、そこで知り合った仲間と有志主催の50人超えのバドミントン大会を地域の高校巻き込んで開催したり、スカッシュの全日本3位の子と知り合って家に泊めたり、後援会を立ち上げたりしました。イベント好きはこの頃からかもしれません。といっても、イベントに参加するのが好きなのではなく、企画・運営が好きなんです。それは今にも繋がっていると思います。

そして職場ではかなりのモヤモヤ期なのですが、仕事関係で劇的に変わったのは、30代後半です。それまで惰性で生きていたこの業界で、新たな出会いがありました。今ここに私がいるのは、近いうちに登壇してもらいますが、宮下勉さんtutoさんのおかげです。そして、そこから外に引っ張り出して、引き上げてくれている、運営メンバーでもある櫛引さんのおかげです。今は使っていませんが、mixiで宮下さんの運営する本名明かしのグループに一歩踏み入まなかったら、今はありません。

40代、友人を亡くします。一人は、レスキュー隊に属していて、新潟県沖地震でもヘリコプターを飛ばしていたり、スマトラ沖地震の際にも国際派遣されたつわものでした。なくなる2日前に会っていました。彼はレスキュー隊で培った、絶対にほどけないむすび方のロープで自死しました。同じ日、待ち合わせをしていた友人が時間になっても来なく心配していましたが、心筋梗塞で亡くなりました。このとき初めて禿ました。ストレスって本当に体に悪いんだなって思います。こんな風に話せるまでには数年かかりましたが、この友人を亡くしたことが、救命救急や災害医療に関心を持つようになったきっかけなのかもしれません。BLSをきちんと理解したい、救命救急をもっと知りたいという気持ちで、ICLS講習会に参加します。そこでは自分の無力さを思い知ることになるのですが、その時、臨床検査技師がICLSに参加することの意味に悩んでいた私に救急医が「意味は参加してから見つけてくれたら良い」と声をかけてくれました。まずは、悩んだらやる、そう考えを変えるようになったのは、この頃からです。やりたかったのに、やらなかったことって、すごく後悔するんだなって、友人たちを亡くした時に痛感しました。

とにかくたくさんのことをやります。ガツガツやります。技師会の行事にも参加します。研修会にも参加します。人が面倒だなと思う仕事は積極的にやっていきます。外部の仕事も、声がかかればすべて引き受けます。断れないではなく、断らないです。そうして沢山の出会いがあって、各地に知り合いができると、誰かが東京に来るときは声を掛けてくれるようになり、飲み会幹事やりまくります。コロナ禍でできなくなりましたが、企画しまくります。

心が動かされるものがあればまず行動してみよう。立場が自分を育ててくれる。

30代からでも、40代からでも、まったく遅くありません。 立場というのは役職ということではありません、母親という立場だったり先輩だったり、すべての立ち位置を指します。

さいごに

「大変かもしれないけれど、とにかくひたむきに進みなさい。『作用・反作用の法則』で頑張れば必ず返ってくるから。頑張っている姿は、かならず誰かが見ています。40代も良かったけれど、50代も良かった、60代のこれからも良いのよ。」

これらは尊敬する恩師から言われた言葉です。栃木の県立高校で初の女性校長になった先生で、男性社会の中で悔しいことも、いやなことも、たくさんあったけど全部いまの自分が出来上がるための必然といえる先生の生き方素敵だなと思いました。

いらない過去はありません。

50代のここからは私の出会い・経験を次の世代に引き継いで行く時期だと思っています。今日の出会いが、貴重な出会いになってほしいと思います。100人カイギが、素敵な場になりますように願って終わりにします。

ありがとうございました。

キャリア分析:竹澤理子さんの場合

人ととなり診断

IBM Personality Insightsでは、下記のように分析されました。

結果
表現に富むタイプであり、社会的なタイプであり、また役立つタイプです.

哲学的なタイプです: 新しいアイディアに興味をそそられ、進んで受け入れ、探求することを好みます. 権威に挑むタイプです: 権威や伝統を守るよりも、より良い方向へ変化させる方が良いと考えます. また、自分に自信があるタイプです: 始めたことを成し遂げる能力があると思っています.

現代性を意識して意思決定するタイプです.

自主性があなたの行動に大きな影響を与えています: 最高の成果が得られるよう、自分自身で目標を設定する傾向があります. 生活を楽しむことにはあまりこだわりません: 単なる個人の楽しみよりも大きな目標を伴う行動を優先します.

(本分析は、IBM Personality Insightsを用いて、言語学的分析とパーソナリティ理論を応用し、テキストデータ(臨床検査技師100人カイギ登壇時のプレゼンテーション)からその筆者の特徴を推測しています。)

キャリアデザイン

ジャンル:就業、資格取得教育・海外留学受賞公職・委員歴起業その他活動

STEP
「臨床検査技師」を知る/17歳夏

姉から「臨床検査技師」という資格があり、向いていると勧められる。まったく知らない職業で、無知からの「かっこいい」と思い目指してみることにする。

STEP
東京医科歯科大学医学部付属臨床検査技師学校(現東京医科歯科大学医学部保健衛生学科)/19-21歳
  • 就業:アルバイト(実験動物の世話、医動物教室の器具洗浄、外科医局治験用血清分離、教授の郵便物宛名書き、お好み焼き屋)
  • 資格取得:臨床検査技師免許
STEP
社会福祉法人三井記念病院/22歳-現在
STEP
結婚、出産、離婚/20-30代
  • 就業:生化学検査室
       長女出産、産休復帰後(※)、一般検査室
       長男出産、産休復帰後(※)、細菌検査室
       ※産後8週間で復帰、夜間当直は1歳まで免除
  • 資格取得:二級臨床検査士(微生物学)
STEP
東京女子医科大学医学部感染症科ほか/40代
  • 資格取得:緊急臨床検査士、認定微生物検査技師、認定POCコーディネーター、感染制御認定微生物検査技師、認定救急検査士、一般毒物劇物取扱者、サービス接遇検定3級、検体採取技能習得講習修了
  • 公職・委員歴:東京都臨床検査技師会代議員、東京都臨床検査技師会地区幹事、日本医療検査科学会POC技術委員会委員、同学院二級試験(微生物学)試験委員、日臨技認定救急検査技師制度広報WG、日本医療検査科学会評議員、東京都臨床検査技師会理事、日臨技認定救急検査技師制度研修会WG、同学院認定POCT測定士試験制度委員会委員、日本医療検査科学会認定POCコーディネーター試験制度委員
  • 教育:東京女子医科大学医学部感染症科・研究生(45-50歳)
  • その他の活動:ICLS講習会参加(アシスタントインストラクター取得)
STEP
千葉科学大学大学院/50代
  • 資格取得:医療技術部門管理資格認定
  • 教育:千葉科学大学大学院(50歳-現在)
STEP
文京学院大学 保健医療技術学部・非常勤講師/51歳-現在

医療リスクマネジメントを担当。

STEP
臨床検査技師100人カイギ・運営メンバー、現在に至る

医療技術部門管理資格認定の取得メンバーと立ち上げる。

略歴

<所属>
三井記念病院

<技師関係の資格>
医療技術部門管理資格、感染制御認定微生物検査技師、認定微生物検査技師、認定POCコーディネーター、認定救急検査士、緊急臨床検査士、二級臨床検査士(微生物学)、一般毒物劇物取扱者。危機管理学修士取得予定(大学院在学中)

<公職・委員歴等>
東京都臨床検査技師会理事、日本医療検査科学会評議員、日本臨床救急医学会評議員、日本医療検査科学会POC技術委員会、日臨技認定救急検査士WG、同学院POCT測定士試験制度委員会、同学院二級臨床検査士試験委員会。大学の医療リスクマネジメント非常勤講師

<プロフィール>
臨床検査技師100人カイギの運営メンバー。東京医科歯科大学医学部附属臨床検査技師学校の最後の卒業生。その後は医学部保健衛生学科になってますが、いまでも同窓会で繋がってます。学生さんからベテランさんまで幅広い繋がりを求めて活動してます。出会いは財産です!癒やしは、愛犬の栗太郎。仕事のモヤモヤは、家に持ち込まなくなりました。娘が結婚して、息子はとりあえず独立してて、栗太郎と2人暮らし。栗太郎の世話というのを除けば、自由気ままな生活してます。キーワードは、感染制御、臨床微生物、臨床一般検査、POCT、臨床救急。資格はその時その現場で必要な物を取得。

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この記事を書いた人

KENSA.wikiの管理者 兼 臨床検査技師100人カイギの発起人。臨床検査技師免許取得後、製薬関連企業に就職。その後、海外留学、大学院進学、コンサルティングファーム、大手医療法人の経営戦略・政策責任者を経て、医療経営と医療政策を軸にしたシンクタンクを起業、現在に至る。日本臨床衛生検査技師会の認定資格制度「医療技術部門管理資格」の企画・運営に従事し、大学では非常勤講師として医療リスクマネジメントを教える。専門は医療経営、医療政策、医療ITなど
https://twitter.com/kambetsubasa

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